7日、こども園の保護者説明会が開かれ、バスの中で亡くなった千奈ちゃんの父親が、「娘は、あと10日ほどで、4歳の誕生日を迎えるはずだった」と悲痛な思いを語りました。涙を流し、過呼吸になる人もいて、13人が救急搬送されました。

■“ずさんな管理体制”で「4つのミス」

 川崎幼稚園・増田立義園長(73):「このような大変悲しい事故が起こってしまい、その原因が、我々の安全管理がきちんとできていなかったという点にあったということを、きちんと受け止めて。まずは、原因究明に努めて参りたいと思っています」

 事件後、初めて公の場で謝罪の言葉を口にした、認定こども園「川崎幼稚園」の増田園長。

 増田園長:「(Q.今回の事案は、たまたま起きたミスか、起こるべくして起きたのか?)両方だと思います」

 そう語った増田園長ですが、およそ2時間40分にわたった会見で、幼稚園側の“ずさんな管理体制”による「4つのミス」が明らかとなりました。

・園側のミス(1) 園児の降車確認を行わなかった

 当日、いつもの送迎バスの運転手が休みだったため、代わりに増田園長が運転を担当。70代の派遣職員の女性と共に、河本千奈ちゃんを含む園児6人の安全管理を行うことになっていました。

 しかし、2人は、園児がバスを降りる際に、乗車名簿と実際に下車した園児をチェックする決まりを行わなかったといいます。

 川崎幼稚園・杉本智子副園長(58):「(降車時に)6人中5人まではチェックをしてありました」「(Q.亡くなった千奈ちゃんのチェックは?)していなかったです。一番最後に乗るお子さんで、乗せたっていうところで、チェックし忘れたのかなって、チェックミスがありました」

・園側のミス(2) 園長が車内の最終確認を行わなかった

 園児たちを降ろしてから、自らもバスを降りた増田園長。ところが、この時、車内を見て回る最終確認を行いませんでした。その理由については、次のように説明しました。

 増田園長:「いつもやっていなかったので、運転をするのが不慣れだったのが、一つの原因だと思います」「(Q.運転するのが不慣れだったから?)いや、そうではなく、普段バスの運転をするのが、そんなにないので。普段はバスの運転手には(車内確認するよう)言っているのですが。自分自身がそれに対して言うだけでなく、不慣れだったなと感じている」

 車内の最終確認を行わなかったのは、「送迎に不慣れだったため」と釈明する一方で、過去のトラブルを聞かれた園長は、こんな発言もしました。

 増田園長:「バスの運行に関しては、前園長からやっていて長いですから。(トラブルが)いくつと言われると、僕が30代の時からやっているので。約40年近くバスの運行してる。多分、お宅(質問者)が生まれたころには、バスは動いていたと思います。ですから、何件と言われても、それは私も把握できません」

 「チェックミス」は、バスの降車時だけではありませんでした。

・園側のミス(3) 最終の登園状況を確認しなかった

 バスに乗って登園しているにもかかわらず、教室に千奈ちゃんの姿はありませんでした。クラスの先生は、そのことを不審に思わなかったのでしょうか。

 杉本副園長:「連絡なく休む園児もいたため、被害園児もお休みなのかなと考えてしまったところがありました」「(Q.欠席と認識していたのでしょうか?連絡なく休む園児もいたため、千奈ちゃんもそうだろうと?)連絡なく休むことが実際、千奈ちゃんの場合はなく。お母さんが、いつもきちんと連絡をしていたのですが、この日、担任は『休みなのかな』と思ってしまったということです」

・園側のミス(4) 職員室や保護者に確認をしなかった

 クラスの先生は、千奈ちゃんの不在について、職員室や保護者に確認を行うこともありませんでした。

■「ちなつちゃん」園長“言い間違い”か

 そうしたミスの積み重ねによって、暑いバスの中に、およそ5時間も置き去りにされた千奈ちゃん。車内からは、空になった水筒も見つかっています。

 増田園長:「(Q.千奈ちゃんが見つかった時、水筒が空だったと聞いているが、どう感じている?)本当に苦しい思いをさせて、申し訳なかったなと感じています。そして、暑いなか、あんな中でいて、本当に可哀想だったなと感じています」

 そう語った増田園長。しかし、会見中、千奈ちゃんの名前を言い間違えているように聞こえる場面もありました。

 増田園長:「“ちなつちゃん”が、どの子というのは入園して間もないものですから、よく把握はしていません。特別担任からは、この子が“ちなつちゃん”とは聞いていませんが、クラス全体のことは、先生からは把握していました」

■保護者説明会でパニック“13人救急搬送”

 会見に先立ち、幼稚園側は保護者に対し、説明会を開きました。

 保護者が続々と園の中に入っています。なかには仕事を休んで、この説明会に参加される人もいます。

 説明会に参加する保護者:「うちの子が乗っていたバスは、運転手さんも、補助の方も、ちゃんと見てくれている印象だったので、ちょっと信じられない」「(Q.これから登園で心配なことは?)今回の話は、どうなのか分からないですが、バス通園はやめようか検討してます」

 2階の遊戯室で行われた説明会。ところが、開始からおよそ1時間後、異変がありました。

 7日午前11時、救急車が1台、川崎幼稚園に到着しました。保護者説明会から1時間ほど経ったのですが、保護者とみられる男性が職員5、6人に抱えられながら、別の部屋に移動している様子がありました。担架が幼稚園に運ばれていきます。

 消防隊員:「保護者がパニックを起こしている、泣き叫んでいる、興奮している状態だということで、119番が入り、救急隊が出動した。泣いてしまったりとか、こちらの受け答えにも答えられないような人もいた」

 消防によりますと、保護者7人と職員6人の、合わせて13人が体調不良を訴え、救急搬送されたということです。

 説明会では、千奈ちゃんの父親の悲痛な思いが語られました。

 亡くなった千奈ちゃんは、「あと10日ほどで誕生日を迎えるはずだった」と話していたということです。あまりにもつらい内容だったため、保護者の中には、過呼吸を起こす人もいました。

 そのため、説明会は途中で中止となり、後日、改めて行われることになりました。

■他の幼稚園では…降車時「3人で確認」

 問われる幼稚園側の「安全管理体制」。

 埼玉県三郷市にある「天使幼稚園」では、どのような安全管理の取り組みを行っているのでしょうか。毎日およそ100人の園児の送迎を行っている、この幼稚園では…。

 天使幼稚園・喜代崎節子園長:「(Q.バスで確認することは?)(園児が)バスに乗った時には、このように朝、乗りましたと斜線を引く」

 バスに園児が乗車した際には、名簿にチェックを入れて、人数を確認。バスが園に到着すると、名簿をもとに園児を点呼し、人数を再確認します。

 バスを降りた園児の数を、今度は幼稚園で待ち受けていた別の先生も数えます。その後、添乗員の先生とドライバーが改めて車内を確認します。

 つまり、降車時には3人で確認する仕組みになっているのです。さらに、教室でも…。

 喜代崎園長:「各クラスの担任が出席簿を付けていて、これとこれで当然のことながら、出席もダブルチェックになります」「(Q.この出席簿に合わせて、実際に登園した時に取ったものと合うか、合わないかチェックする?)そうです」

 保護者への事務的なお知らせなどは、アプリを使っていますが、登園の管理だけは、手書きのアナログな方法で行っているそうです。

 喜代崎園長:「手書きだと、(職員)3人だと、3人が手書きをしますので、どこかずれがあった時に『おかしい』となるので。もし間違いがあると、手書きの方が分かりやすいというのはあるかもしれないです」

■「廃園になるかも」園長“辞任”へ

 千奈ちゃんが亡くなった事件を受け、後任が決まり次第、辞任する意向を示している増田園長。

 増田園長:「僕がいなくなったら、(園が)さらに良くなるように」
 弁護士:「園を続けるかは決まっていないです」
 増田園長:「まだ、そうか。廃園になるかもしれないよね」

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