【知床観光船事故】安全統括管理者・運航管理者の観光船社長…要件クリアせず “虚偽申請”か

知床の観光船事故で、社長は、「事故当日は安全管理ルールで定められた定点連絡をしていなかった」と説明していましたが、新たに “不適切な連絡の常態化”が判明しました。こうした中、事故の影響は、安全管理に努める、ほかの地域の運航会社にも及んでいました。

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5日午後3時ごろ、北海道斜里町のウトロ漁港に、捜索を終えた漁船が戻ってきました。知床の観光船事故の行方不明者の捜索には、地元の漁師らが協力してきました。しかし、斜里町ではこれから漁が本格化するため、海上保安庁からの要請は5日までとなります。

捜索を終えた漁師
「1人でも多く見つけてあげたかったけど、それができなかったのが残念ですね…」

ただ、捜索を終えた漁師は、6日以降も「(漁業を)やりながら少しでも、手がかり1つでも捜しながらできればいいなとは思っています」と話しました。

乗客14人が死亡、いまだ12人の行方がわからない観光船「KAZU 1」の沈没事故。浮き彫りになるずさんな安全管理の数々。新たに判明したのが“不適切な連絡の常態化”です。

知床遊覧船の「安全管理規程」には、運航中の船からの「時刻」「天候」などの13地点での定点連絡が定められています。本来は、通過時間を細かく記載する必要がありますが、桂田精一社長は乗客の家族に規程違反を認め、「事故当日は怠っていた」と説明していました。

しかし、元従業員によると、知床遊覧船は、事故当日どころか、以前からも定点連絡を日常的に怠り、船を下りたあとに記録をつけていたといいます。

知床遊覧船の元従業員
「自分がいたおととしまでは、地点を通過した時に連絡はしていなかった。帰港した後に船長が書類に書いていた」

さらに、「経営トップ」以外に、「安全統括管理者」「運航管理者」も務める桂田社長について、次のような証言もありました。

知床遊覧船の元従業員
「桂田社長は船舶免許もなく、船での実務経験はない。事務所にも船が欠航になった日に文句を言いに来るくらいだった」

運航管理者になるためには「船長、または運航管理補助者としての3年以上の経験」など、いくつかある要件のうち、いずれかをクリアする必要があります。ただ、桂田社長は虚偽申請をしたのか、どれにも該当していなかったということです。

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今回の事故で、日々、正しい安全管理に努める、ほかの運航会社にも影響が起きていました。

シャチも見られる、知床半島の東側・羅臼町の観光船では、事故を受けて安全管理を再点検しました。日頃から、周囲の会社と時間帯を合わせて出航するなど、万全を期して運航しているといいます。

知床ネイチャークルーズ 長谷川正人船長
「帰るときも必ず、こうやって言うわけ」

長谷川船長がそう説明する最中に、船の無線にほかの船から「帰りますよー」と連絡が入りました。

長谷川船長
「コミュニケーションとりながらやるっていうのは、漁船でもみんな一緒」

――予約に影響は?

長谷川船長
「ありますよ。みんな各社キャンセル入ってきたり、問い合わせがすごかったらしい。(事故を起こした)『KAZU 1』は別として、あとの船はみんな、きちんと守ってやっているわけなんだよね…」

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また、はるか遠く離れた沖縄県石垣島のツアー会社も大きな打撃を受けていて、「ビッグビーチ石垣島」の大浜之浩代表は、「きょうは、本当は9名のお客さんだったんですけれど、 前日で4名のキャンセルが出まして。海に出る船のツアー観光船って同じなので、それで怖くてキャンセルしたのかな。家族に止められたりとかあって、キャンセルなのかなと」と話しました。

ビッグビーチ石垣島は、潮の満ち引きで島の姿・形を変える“幻の島”を巡るツアーが人気ですが、天候の変化には十分気をつけているといい、大浜代表は「天候の急変だったりとかは本当にあるので、あすは我が身だと思って、しっかり天気の情報を見たり、無理はしないツアーは今まで通りにやっていこうと」と話しています。

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